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日本顎関節症リハビリ研究室 /より安定した快適咬合を求めて

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線維筋痛症 たけしの家庭の医学む

原因不明の新しい心身症「線維筋痛症」


【サラリーマンを襲う病気】
 ズキズキ痛む疼痛といっても「ガラスの破片が体内を動き回るような」「腕がもぎ取られるような」痛みが続く、というから辛い。それも後頭部や首から肩、背中、尻、太もも、膝などあちこちが痛む原因不明の新しい心身症、線維筋痛症に注意を。厚生労働省研究班の本格的な調査・研究も昨年、始まったばかりだ。(2004.09.24掲載)

 男性の場合、発症が更年期前後に多い女性と違い、20代~50、60代の働き盛りがかかる。重症になれば何をしても痛み、仕事もできず、家に引きこもるというパターンになりがち。
「治療は心療内科など心身症関連の専門医の診断を受けてください」と、同研究班の村上正人・日本大学板橋病院心療内科科長。
●ヒステリーやノイローゼと誤診
 線維筋痛症について、欧米では1900年代初めから注目されていたが、日本ではこれまでヒステリーやノイローゼ(神経症)などと診断されることが多かった。
「ふつう痛みは継続して起こるが、波もある。天候や環境、あるいは情緒的変化など、その時々のストレスの受け方によって悪化したり、軽くなったりする。周囲から気分屋とか、怠け者などと誤解もされてきました」(村上科長)
 病気になるキッカケはさまざま。
 「感染症や手術、事故によるケガなど外傷やストレスが線維筋痛症を起こすキッカケになりやすい。また、免疫やホルモン、自律神経系が乱れて、不眠や疲労感、下痢などの不定愁訴や、不安感や憂鬱感などの精神的症状を訴えることも多い」と、村上科長。
●11カ所以上が3カ月以上痛む
 線維筋痛症は、レントゲンやCTなどの画像検査や、血液検査などをしても異常は見つからない。 ただ、全身のこわばり感や関節痛などリウマチに似た症状を起こすことが多い。そのため日本では、1990年に発表された米国リウマチ学会の分類基準を参考にして診断する。
 それは18カ所の手の指で押して痛む部分(圧痛点)のうち11カ所以上が痛み、しかも痛みが3カ月以上続くなどだ。「ただし、18カ所より多く痛む人も珍しくなく、その分類基準は、あくまでも参考です」(村上科長)
●適切な治療法なし
「治療法もわかっていないが、薬物療法として慢性の疼痛をコントロールする抗うつ剤に、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩剤や漢方薬などを組み合わせています」とのこと。
 線維筋痛症になっても、一過性で症状が軽くなることもあれば、7、8年と長引く例もある。
●完ぺき主義型は病気の予備軍
「何事にも完全さを求め、脅迫的に無理をするタイプで、ヤリ手といわれるが、実はストレスに対する適切な対処ができないというタイプがかかりやすい。心身の管理をきちんとしておいてください」と村上科長。

『本当は怖い肩こり
~わかってくれない地獄の苦しみ~』
O・Kさん(女性)/34歳(当時) ブティックの支店長
つい先日、夫と離婚、十年間の夫婦生活にピリオドを打ち、実家に戻ってきたO・Kさん。離婚を機に、以前勤めていたブティックに復職。それも支店の店長を任されることになりましたが、店長一日目を終えた時、ずっしりと重い肩こりを感じました。気を張りすぎて疲れたのだろうと思っていた彼女ですが、その後も奇妙な異変が続きました。
(1)肩こり
(2)腰に激痛
(3)体のあちこちで激痛が発生
(4)不眠
(5)痛みがひどく外出できない。
(6)触れられただけで激痛がする。
(7)寝たきりになる。
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
<なぜ、肩こりから線維筋痛症に?>
「線維筋痛症」とは、関節や筋肉など全身のいたるところが激しく痛む病。その痛みは、患者自身の体験談によると、「肉をボロボロに切り裂かれたような感覚」、「ガラスの破片が流れるような痛み」などと表現。最悪の場合、この激痛のため通常の生活さえ不可能になってしまうのです。患者のおよそ80%は女性。日本だけで200万人もの潜在患者がいると考えられています。ひどい痛みが生じる原因の多くはまだ不明ですが、カギは神経にあると考えられています。そもそも痛みは、全身に張り巡らされた神経を通じて脳に伝わります。ところが線維筋痛症になると、この痛みを伝え抑える神経に異常が発生。わずかな刺激が増幅され爆発的な痛みに感じてしまう、と考えられるのです。O・Kさんの場合、最初の症状は肩こり。神経の異常によって起きた、この病特有の初期症状でした。その後、症状は次第に悪化。腰に生じた爆発的な痛みを初め、体のあちこちで激痛が発生します。こうなると、立つ、歩く、座る、といった何気ない動きがすべて痛みにつながり、日常生活すら困難に。そしてついには軽く触れられただけで、飛び上がるような激痛を感じるまでに。事実、線維筋痛症の患者の中には、あまりの激痛のため爪を切ることが出来ない人がいるのです。やがてO・Kさんも、ちょっと体を動かしただけで激痛を覚えるようになり、寝たきり状態に。しかしなぜO・Kさんは、線維筋痛症になってしまったのでしょうか?因果関係はまだ明らかではありませんが、最大の要因と言われるのが、強いストレス。O・Kさんの場合、離婚、再就職などの急激な環境の変化が、強いストレスとなって襲いかかり発症したと考えられるのです。線維筋痛症の最も恐ろしい点は、検査をしても痛みの原因が見つからない、ということ。なぜなら、この痛みは患者が脳の中だけで感じているものだからです。そのため病院に行っても病気の存在すら疑われ、患者のストレスはどんどん増大。何年もドクターショッピングを続けるうちに、ますます病状を悪化させるケースが少なくないのです。幸いO・Kさんの場合、専門医に巡り会い治療を開始。5年後には、ほぼ通常の生活を送れるまで回復しました。線維筋痛症は発病から3年以内に発見し、適切な治療を受ければ、回復する可能性が高い病気なのです。
「線維筋痛症にならないためには?」
(1)なるべくストレスを避ける。

(2)無理のない生活を送るよう心がけることが大切。
   もしいくら調べてもわからない原因不明の痛みがあるのなら、線維筋痛症の専門医で検診されることをおすすめします。

http://asahi.co.jp/hospital/shinsatsu/051122.html





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